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2017.01.19

シニア世代活用で企業の活性化

AUTHOR :   関口 郁麻

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関口 郁麻

内閣府発表の「平成28年版高齢社会白書」によると日本の総人口に占める65歳以上の高齢者は26.7%というデータが出ており、4人に1人は高齢者という超高齢社会がやってきています。また、2030年には3人に1人が高齢者という時代がくるといわれています。そんな日本社会の変化に適応し、企業では定年を撤廃したり、再雇用をしたりとシニア世代の活用が増えてきています。今回はシニア世代の活用で企業を活性化させる方法を見ていきたいと思います。

シニア世代の現状

冒頭でシニア世代が4人に1人と書きましたが、生産年齢で見てみるとどうでしょうか。0~14歳までの年少者を除いて15~64歳までの生産年齢から見ると、勤労者1人が2.7人を支えているということになります。その中でも65歳以上で就労している割合は21.7%という数字が出ており、ここ数年で少しずつ増加しているようです。
もう少し切り出してみてみると、60~64歳での就業率は62.2%、65~69歳までの就業率は41.5%だそうです。思っていたより多いと思いませんか?

その背景には、国が平成25年より企業に対して、希望者に対する65歳までの雇用を義務化したり、9割の企業が再雇用制度を実施したりしていることが挙げられます。また、約半数の企業が定年年齢の引き上げ・廃止を検討していると答えています。

シニア世代への対応

それでは、実際にシニア世代がどのような形で企業に活用されているかというと、専門性発揮型、現状継続型、単純労働型の大きく3つに分類できます。

・専門性発揮型
これはスペシャリストや技術の伝承者が今持っている専門的な知見を持っている人材が対象になります。具体的には独自の販路を持っている営業の方や専門技術・知見を後継していく伝承者などが当てはまりますが、あまり多くはありません。

・現状継続型
今までの行ってきた業務を、定年後も引き続き担当してもらうものです。営業職であれば担当していたクライアントを引き続き担当。研究開発などの分野では今までの領域すべてという訳ではなく、一部を継続して担当してもらうケースもあるようです。

・単純労働型
本来、パートなどの非正規社員が担う単純作業を担当してもらうというものです。部門の予算策定や評価のとりまとめなどの共通事務業務や社内郵便物の仕分けや事務所清掃などの庶務があげられます。

しかし、これら3つの分類では問題があります。専門性発揮型はあまり多くないのでよいのですが、現状維持型を増加させてしまうと新入社員の業務がなくなり、そもそもの採用を止めなくてはいけなくなります。結果的に企業全体の新陳代謝が阻害される恐れがあります。

だからと言って、単純労働へシフトをしてしまうと業務レベルと人材の質にミスマッチが発生してしまい、シニア世代のモチベーションがどんどん落ちて行ってしまいます。

今後のシニア世代活用方法

そこで、シニア世代を有効活用するためには特性や要望を考慮し、シニア世代が活躍できる職域を開発する必要があります。開発にあたっては親和性、単純化、社会性の3つを意識する必要があります。

・親和性
まずは今ある領域を掘り起こして、シニア世代の特性を活かせる部分を探します。例えば、営業職であれ顧客も高齢化しているということから、シニア世代と同等の視点でサービスを開発したり、サポートをしたりすることができます。
また、開発の現場であれば既存製品の保守や品質管理などの分野で、シニア層ならではの丁寧さが発揮できることが期待でき、長年開発・研究で培った知識も十分に活かすことができます。
事務職であればナレッジマネジメント業務での活躍も今後は期待できます。

・単純化
例えば、定常的に行われている業務を単純化してシニア世代に担当してもらうことや、外部委託で行っているものを内製化するなどがあげられます。
業務を単純化することで効率をあげることができ、会社全体のスピードも上がってきます。
外部委託の業務は誰でもすぐに従事できるよう整理されていることが多いので、単純化という意味ではシニア世代が取り組みやすい内容ではあります。しかし、人件費の観点でみるとコストを上げかねない内容でもあるので、すべてを内製化するだけではなく外注業務を主に担当してもらったり、効率化が図りやすく成果が見えやすい業務を担当してもらったりすることで、単純作業とはいえどモチベーションをあげることができます。

・社会性
新規領域の業務は活躍の場が広く社会性の高い業務と言えます。しかし、シニア世代にすべてをお任せするのは難しいと思いますが、着目すべきところは地方と海外です。
「いまどきの新入社員をどう育てる?教育法と注意点」でもご紹介しましたが、今どきの新入社員とシニア世代は相反するものがあります。家族やプライベートを大切にする彼らは転勤や、新規領域での仕事を好みません。

しかし、シニア世代のニーズとマッチすればセカンドライフ支援の意味からも地元・地域への U・I ターンによる異動も可能です。併せてシニア世代の経験も活かせる誇りある仕事とあれば手を上げるシニア世代も少なくはないでしょうか。

まとめ

筆者の祖父も80代後半でありながら、農業をする傍ら地域の防犯協会や自治会などで役職を持ち精力的に活動しています。
なかなか企業であると上記にあげるような職域開発をすることは会社制度やコスト、意識の面で難しいと思いますが、既存の枠組みを超えてまだまだパワーのあるシニア世代を活用することは、超高齢社会の中で生き残っていける一つの術なのかもしれません。

参考:

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