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2016.09.15

「仕事ができる」人の調整術、アサーティブ・コミュニケーションとは?

AUTHOR :   島 憲司

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島 憲司

――部下や後輩が何度も同じミスをして、感情に任せて叱ってしまう。

――無理な要件と分かっていても仕事を断れず、最終的に相手へ迷惑をかけてしまう。

などのコミュニケ―ションや人間関係の悩みは、さまざまな職場で発生しています。そして、こういった悩みは社員の心的ストレスや疲労の元になったり、モチベーション低下を引き起こしてしまったりします。

これらの悩みの原因は何でしょうか。もしかしたら、上司や部下、その他の同僚、または社外のビジネス相手と「相性が合わない」ということで結論付けてしまっていませんか?しかし、仕事が「できる人」は、どんな人が相手でも円滑にコミュニケーションを取って仕事の調整や指導をしています。そんな人はもしかしたら、アサーティブ・コミュニケーションがしっかりと出来ている人かもしれません。

アサーティブ・コミュニケーションとは?

アサーティブ(Assertive)とは、日本語で「自己主張すること」です。しかし、ここでいう自己主張とは、単に自分の意見だけを押し通すことではありません。自分の意見や要望を適切に伝えて、相手を尊重しながら問題解決にもっていくことです。まずは、アサーティブでないコミュニケーションも含め、3つに分類して考えてみましょう。

(1)ノン・アサーティブ・コミュニケーション

自分の考えや気持ちを尊重せず、また表現しない(できていない)コミュニケ―ションです。必要以上に相手の要求を受け入れてしまいがちなので、ストレスを抱えてしまう原因になります。また、曖昧な言葉で相手を混乱させてしまうこともあります。

(2)アグレッシブ・コミュニケーション

自分の考えや意見を過剰に優先させてしまうコミュニケーションです。相手の主張を無視したり、時に威嚇的な態度や論理的でない主張をしたりしてしまうため、その場では主張を通すことができても、長期的には周りから近寄りたくない、関わりたくない存在となってしまうことも多々あります。

(3)アサーティブ・コミュニケーション

自分の考えを主張し、相手の考えも尊重することができるコミュニケーションです。お互いの納得と理解のもとに業務を進められるので組織のチームワークを高める土壌を築くことができます。

もちろん目指すべきは、(3)のアサーティブ・コミュニケーションです。しかし、アサーティブなコミュニケーションを取るには、単に話し方スキルだけではなく、論理的思考力(ロジカルシンキング)のスキルも求められます。では実際にアサーティブ・コミュニケーションを取るにはどうすればよいのでしょうか?

アサーティブ・コミュニケーションを実践してみよう

(1)事実を整理する

アサーティブなコミュニケーションを交わすには、状況をきちんと理解し理論的に説明する必要があります。例えば、あなたが急な依頼を受けたとき、相手はあなたの忙しさをきちんと把握していないかもしれません。断らなければならない理由がある場合は、その他にどんなタスクがあるのかプライオリティも含めて説明できるように整理しましょう。

そうすれば「今、忙しいんだから無理!」と無下に突っぱねたり、逆に受けられないのに言い出せず受けてしまったりといった、どちらかが納得できない不本意な結果を防げます。

(2)感情を伝える

状況を整理出来たら、事実を元にそれに対し自分がどう思っているのか伝えます。感情を伝えるといっても、例えば部下のミスに対して「君は社会人失格だ!」などと怒鳴ったり攻撃的な発言をしてしまったりすると、相手が委縮してしまい根本的な原因を話しづらくなってしまいます。また逆に、部下の感情を気遣いすぎてしまうあまり、具体的な注意をせずに「次はよろしくね。」などの曖昧な言葉で終わらせてしまってもアサーティブとは言えません。きっと部下の成長を阻害してしまうことでしょう。

起こっている事実に対して真剣な表情で「期限を守ってくれなくて残念だ」「先方に迷惑がかかってしまい困る」など、主語を自分にしてどう感じているかを伝えることが大切です。

(3)要求を伝える

事実とそれに対する自分の感情を伝えたら、最後に要求を伝えます。それに対する相手の反応は、必ずしもYES、NOだけとは限りません。お互いが納得できるラインを探るのが、ビジネスの現場でのコミュニケーションとしては適切です。

例えば急な依頼を受けた場合であれば、「では代わりにこの業務の締切を延ばさせていただいてもいいでしょうか?」などと代替案を提示します。部下のミスに対しての注意であれば、「次からはこうしてもらいたい。」「同じミスをしないためにどうすればいいか考えよう。」などと建設的な解決に向かいます。

なお、その際は一方的なコミュニケーションにならないよう、歩み寄る姿勢をもつことが大切です。客観的に自分が反省すべき点があれば「自分も説明不足な点があったね」などと自分の思いをきちんと相手に伝えることも必要です。

(4)振る舞いもアサーティブに

コミュニケーションの質は、話す内容だけで決まるものではありません。人間は誰でも、相手の声の高さやスピード、姿勢、表情などを無意識のうちに観察し、コミュニケーションを取っています。

話している内容がアサーティブでも、例えば椅子にふんぞり返ったり、机をコツコツと叩いてイライラを表現したりしては意味がありません。また、つい感情的に声を荒げてしまったり、逆に無意識のうちに笑ってしまったりしても、やはり相手が本音を話す機会を失ってしまい、最適な解決を妨げてしまいます。話す内容にもよりますが、冷静に堂々と、しっかりとした口調や態度で話しましょう。

話すタイミングも大切です。例えば大勢の前でミスを指摘されれば、なかなか素直に受け入れてもらえないこともあると思います。双方が落ち着いて話せる環境でコミュニケーションをとることが大切です。

アサーティブ・コミュニケーションでこんなことが良くなる!

・職場の活性化

アサーティブなコミュニケーションが浸透すれば、社内の議論で意見が言いやすくなるなど、風通しのよい職場づくりをすることができます。

・仕事の効率化

お互いにやるべき業務の内容やスケジュールをあいまいにせず、納得したうえで取り組めるので、無駄が発生せず仕事の効率を高められます。

・コミュニケーションスキルを高める

年齢や性別が違う人同士でも、アサーティブなコミュニケーションを実践すれば円滑に話すことができます。

・職場のストレスを減らす

ノン・アサーティブやアグレッシブなコミュニケーションは、社員がメンタルを病んでしまうリスクが高まり、結果会社の損失ともなります。そういったことを防ぎ、のびのびと働ける環境づくりをすることができます。

まとめ

いかがでしたか?ビジネスでは、複雑な事情や人間関係が絡み合っているので、アサーティブ・コミュニケーションですべてが解決できるわけではありません。ビジネスマンであれば、納得するしないに関わらずこなさなければならない業務もあるでしょう。

しかし、コミュニケーションの心構えとしては、どんな業務でも活用できる汎用的なものだといえます。

ぜひ自分のコミュニケーションのクセを振り返ってみてください。もしノン・アサーティブやアグレッシブに該当するコミュニケーションをしているとしたら、自分の主張を通すうえで損をしているかもしれません。ずっと染みついたコミュニケーションのクセはなかなか治らないものです。少しずつ訓練を重ね、自分の意見を適切に主張できるビジネスマンを目指しましょう。

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