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2016.08.29

メンタルヘルス不全を抱える社員への対応

AUTHOR :   川嶋 美紀子

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川嶋美紀子


厚生労働省の調査によると、過去1年間にメンタルヘルスの不調で1カ月以上連続した休業、または、退職をした労働者がいる事業所は、2013年には全体の10%にのぼりました。仕事に強い悩みやストレスを抱えている労働者の割合は5~6割程度で推移しており、雇用側は事業規模に関わらず、メンタルヘルスの不調を訴える社員に対し適切な対応をする必要性が高まっています。その窓口となる人事は、どのように対応していくべきでしょうか。

社員がメンタルヘルスの不調を訴えたら、まずは事実確認を

メンタルヘルスの不調を訴える社員が現れたら、まずは本人、所属部署の上司や同僚、主治医に状況を確認する必要があります。本人の自覚症状の有無、上司や同僚に対する病状の申告の有無、自発的な専門医の受診の有無を確認し、状況を正確に把握しましょう。受診していた場合は、主治医への病状確認も必要です。また、部下に対する安全配慮義務がある上司には、見て見ぬふりがなかったかなどの事実確認をします。

就業規則の確認・見直し・変更

欠勤を繰り返す社員や長期休職中の社員の有無に関わらず、雇用側はメンタルヘルス不全を抱える社員に対して、以下のように就業規則を整備する必要があります。

  • 健康診断の受診義務づけや診断結果の保管について定める
  • 会社からの休職命令に関する取り決め(遅刻や欠勤が繰り返される場合は、規定によって休職を命じる)
  • 休職期間の設定と休職中の給与の扱い(会社側の許容限界を定める)
  • 復職までのプロセス(復職後の仕事のペース、人事異動や担当職務の変更などを、本人の意向や医師の意見とすりあわせる)

不調が認められたら会社側から能動的な対応を

遅刻や欠勤が多い、仕事のミスが目立つなどの理由で、社員を単に解雇することはできません。メンタルヘルス不全の可能性があるときや、本人から病気の申告があった場合には、会社側から休暇の取得や専門医の受診を促し、状況を正確に把握して対処することが重要です(安全配慮義務および健康配慮義務は、労働契約法第5条で定められています )。

長期の無断欠勤も解雇理由にはならない

有給休暇消化後に長期に渡る無断欠勤があっても、それが必ずしも正当な解雇理由とはなりえません。本人の欠勤理由が精神的な不調によるもので、「就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤」には該当しないとの判例もあります。懲戒処分を執行する前に、会社は休職をはじめとした病状の回復に専念できる機会を設けるべきとの認識があります。

社員と管理職へのメンタルヘルスサポート

会社にとって、せっかく育てた社員をメンタルヘルス不全で失うのは大きな損失です。そのような事態を招かないように、2015年12月より50人以上の労働者を有する事業所では、職場でのメンタル対策として年1回のストレスチェックが義務化されています。それ以外にも、次のような社員へのサポート体制を用意することが重要です。

  • 勤務状況と体制の見直し
  • 社員向けのセルフマネジメントセミナーの開催
  • 管理職向けに部下のメンタルヘルス管理についてのセミナーをオファー
  • ヘルプ窓口の設置
  • メンタルヘルスに関する情報啓蒙を通して、会社としての取り組みをアピール

なお、自分でできるストレスフリーの働き方については、「ストレスフリーに働くHOW-TO」をご覧ください。

社員の健康管理は会社のイニシアティブのもとで行なう

メンタルヘルスの問題を抱えた社員には、特例ではなく人事労務管理の枠組みで対応することが大切です。そのために、就業規則の整備は必須だといえるでしょう。また、復職への道を閉ざさず、社員のメンタルヘルスをケアするという会社側の姿勢も、社員の健康を守るためには欠かせません。「仕事に集中できる環境作り」、「退職理由に見る「職場の不満」」でも取り上げているように、社員の会社に対する不満について目を向け、よりよい職場環境の構築に取り組みましょう。

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